Shade3DマテリアルとPBRマテリアルでの「荒さ(ラフネス)」の違い

ver.20.0

Shade3D ver.20以降は表面材質として「Shade3Dマテリアル」(従来のマテリアル表現)と「PBRマテリアル」のどちらかを選択できます。
「Shade3Dマテリアル」では「荒さ」、「PBRマテリアル」では「ラフネス」があり、効果はどちらも同じものですが、
かかり方が異なります。

「PBRマテリアル」でのラフネス

鍋の本体やフタのラフネスを0.15としました。

「メタリック」は1.0を指定しています。
メタリックについては、基本的には0.0か1.0のどちらかを指定することになります。
金属の場合は1.0を指定します。

この場合は以下のようなレンダリング結果になります。

少し反射が濁ることになります。

ラフネスを0.0としたときは、鏡のように完全な反射になります。

「ラフネス」を0.15/0.5/0.8と変化させました。
ラフネス値が1.0に近づくにつれて、反射の濁りが大きく変化するのを確認できます。

「Shade3Dマテリアル」でのラフネス

ここでは、鍋の本体やフタのマテリアルのみ「Shade3Dマテリアル」にしました。
「Shade3Dマテリアル」はラフネスは「荒さ」として指定します。
また、金属のような表現の場合は「拡散反射」を黒に近づける必要があります。

金属表現の場合は「反射」に加えて「フレネル」の調整も必要になります。
ここでは「荒さ」を0.0としました。この場合は、鏡のように完全な反射になります。

「荒さ」を0.15/0.5/0.8と変化させました。

「PBRマテリアル」のラフネスと比較すると、同じ値でも表現が全く異なるのを確認できます。
「Shade3Dマテリアル」の「荒さ」は値を変更してもそれほど大きくは変化しません。
もっと荒くする場合は、1.0以上の値を指定する必要があります。
物理ベースでは「PBRマテリアル」でのラフネスの変化のほうがより調整しやすく、他ツールとやり取りする場合は「PBRマテリアル」を使うほうが互換性が高いです。

マッピングでのラフネステクスチャ

マッピングとしてラフネステクスチャを与える場合、「Shade3Dマテリアル」と「PBRマテリアル」でテクスチャのピクセル値の黒白の役割は逆になります。

「PBRマテリアル」の「ラフネス」を1.0とし、マッピングとして「イメージ/ラフネス」を「乗算」合成で以下のように与えました。

テクスチャは白地に黒で「鍋」を描画したものを使用しています。
この場合、テクスチャのピクセル値で黒い部分がラフネス0.0になります。
レンダリング結果は以下のようになりました。

「Shade3Dマテリアル」の「荒さ」を1.0とし、マッピングとして「イメージ/荒さ」を「乗算」合成で以下のように与えました。

この場合は、テクスチャのピクセル値で白い部分が荒さ0.0になります。
「PBRマテリアル」の「ラフネス」とはテクスチャの黒白が逆の役割になる点に注意してください。

この場合は、マッピングの「イメージ/荒さ」で「色反転」チェックボックスをオンにして黒白を逆転させる必要があります。

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