フォトンマッピングを使用しないと表現できないシーン
フォトリアルなレンダリング結果を得たい場合に、
パストレーシングだけで表現できる場合と、フォトンマッピングを使用しないと表現できない/レンダリング時間がかかる場合があります。
これは、レンダリング手法が違うために差が出ます。
フォトンマッピングでは光源からの光をフォトン(光子)としてシーンに飛ばして蓄えるため、
光からの寄与が重要なシーンではフォトンマップの使用が必須になります。
透明+屈折の表面材質を持つ形状があるシーン
ガラスやレンズなどの集光として「コースティクス」が発生する場合、
虹色の「収差」を表現したい場合は、フォトンマッピングを使用する必要があります。
金属の反射でできる明るい光
金属の反射が起きた時に、他の形状に落とす明るい光もコースティクスになります。
鏡で反射する光
光源から光が直線的に出射し、鏡に反射して壁に光が映る、といった表現はフォトンマッピングを使用する必要があります。
下画像は、下の黒い筒から光を飛ばし、左の鏡に反射して右の壁に光が到達しています。
地面や壁に反射して映った光は、コースティクスとして表現されます。
部屋の小さい窓から光が差し込むシーン
光の入りにくい閉じた部屋に小さな窓から光が入るようなシーンの場合、
パストレーシングでも室内に光を充満させることはできますが、計算時間がかかります。
また、パストレーシングでイラディアンスキャッシュを併用しても光が届かない箇所が出てきます。
また、フォトンマッピングだけでもムラが出てしまいます。
この場合は「大域照明」として「パストレーシング+フォトンマッピング」を選択して、
パストレーシング時にシーンに充満したフォトンを収集することで、
レンダリング時間の短縮と品質向上を行うことができます。